銘柄の選定基準に自社株買いをして、それを消費している会社というのがあります。自社株を消費すると、投資家にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
自社株消却の逆行為として融資というものがあります。増資というのは、株式を新たに発行して、資金を集めるというやり方です。この増資という行為は、既存株主に害を与えることになるのです。なぜなら、増資というのは、殆どの場合が、新株を新たに発行して、資金を調達する方法の為に、総発行株式数が増えるので、1株当たりの利益が希薄化されるのです。この自社株消却は、その逆にあたります。
自社株消却とは、その会社が持つ余裕資金で、自分の会社の株を市場から買い集めるのです。そして、買い集めた株は、消却してしまいのです。
その結果、その会社の総発行株式数というのが、減少します。ゆえに1株あたりの利益が増加します。特に会社自体の業績が上がって、1株当たりの利益が増加しているのではなく、株数の変更により、数字上、利益が増加することになります。
これは、既存株主に大変メリットになるのです。なぜなら、1株当たりの利益が増加すれば、その分、必然的に株価もその後を追う7ように自然に上昇しています。
そういった企業を狙うのです。この、自社株の消費というも、資金的に余裕のある会社でないと絶対に行えません。
となると、必然的に、自己資本比率の高い企業でないと行えないということになるのです。ですから、自己資本比率は50%以上必要になってくるのです。米国での調査結果ですが、自社株買いを行っている企業を全てピックアップして、それらの企業平均パフォーマンスと、その年の市場全体の平均パフォーマンスを比べたとき、自社株買いを行っている企業のほうが約6%パフォーマンス上回っていた、という結果が出ています。このように、自社株買いを行っている会社というのは、それだけで、狙い目であり、株主に対して、優しい会社であると判断できるのです。
選定基準に自社株買い